「ウーマンエンパワー賛同企業」事務局では、賛同企業様の施策の参考になれば
という想いで、様々な企業事例や専門家の取材記事を掲載しています。
今回は、消極的だった女性採用に乗り出し2年連続300%成長した、
2017年度特別賞の株式会社レバレッジ 只石社長にお話を伺いました。
フィットネス業界に特化したマーケティング会社である同社。約27名のスタッフのうち
半分以上が女性で、15名ほど。うちママは6名(18年6月現在)です。
ダイエットしたい方とパーソナルトレーナーをマッチングする「ダイエットコン
シェルジュ」では、1ヶ月に、1300人以上のマッチングをする日本最大の
フィットネス業界のメディアに成長してます。
キーエンスの営業として勤務していた頃に全く売れなかった原体験から、
「競合にない価値を出し、誰もやらないことをやれば営業はいらない」という信念が
生まれ、「営業をしなくてインターネットが24時間お客様を連れてきてくれる」
というWebマーケティングを独学で学び06年に起業。一時期はパワーマネジメント
のせいで全社員に辞めたいと言われ、崩壊しかけたにも関わらず、
今は働きやすい会社に脱皮しました。
■設立当初は女性を活用してなかったそうですが?
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今だから言えますが、私は専業主婦の元に生まれ、父は亭主関白という環境で育てられ、
どこかで女性をビジネスとは離れた存在と見ていたかもしれません。
恥ずかしながら、女性に仕事させられない、営業なんてさせられないと思ってたし、
どこかで「結婚までの腰掛けでしょ?」という気持ちがありました。
■その考えが変わったきっかけは何だったんでしょうか?
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当時はセミナーをやっていて少し知名度があったこともあり、自分のブログなどで
でお金をかけずに採用をしていました。そんななか、たまたまFacebookで人が足り
ない!と投稿したところ、ある方が奥様を、ご紹介してくれたのです。
その時期は、今のメディアが立ち上がったばかりで、本当に猫の手も借りたいくらい
人が足りてなくて、「借りられるなら、女性の手でもいいです」くらいの気持ちでした。
そこで面接にきた時に初めて「ママだ」と言われました。
「うちは月曜から金曜の10時から19時までですけど」って伝えたら、
「無理です。子どもがいるので」って言われて(笑)。
その時は、「雇ってもらう側なのに無理とかわがまま言うのか」とびっくりしましたよ。
でも他にいなかったので、まず希望にあわせて週3回、1日3時間で条件
をのみました。本当に、すぐにでも人の手が必要だったので。
それが・・・いざ入社してもらったら、あまりに仕事ができたので驚きました。
リクルートで18年、しかも、リクルート時代には、誰もが知っているような
メディアサービスの立ち上げなども携わっていた女性で、うちの戦略も正してくる
ような方でした。Webのコラム執筆をお任せしてたのですが、自分で立ててもらう目標
もすごく高いし、信じられない数字なのに毎回達成してくれる。本当にありがたい。
もはや、手放せない中心的な人材です。
そんなこんなでママが2名入り、3人目の採用も。サーフィンの怖い先輩の奥さまを紹介
頂いたのでお断りしようかと思ったのですが(笑)、お客様の電話窓口でどうしても人が
必要だったので、子育ての合間、来れる時間にまとめて対応してもらうことにしたん
です。
そしたら・・・あまりに対応が素晴らしい。はじめて、プロのテレフォンオペレーター
っていう人の実力を見させてもらいました。これなら、うちはインターネット屋だけど、
間にテレフォンオペレーターに入ってもらうことで、より人の力で検索より価値のある
コンシェルジュができると確信しました。今、弊社がテレフォンオペレーター中心に、
お客様対応しているのは、間違いなく、そのママさんの存在があったからです。
■そんなに優秀な女性人財との出会いで考えが変わったんですね?
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もう脳内革命が起きました。
今は、女性スタッフの方を積極的に採用しているくらい、変わりました。
女性って、本当に細やかで、決められた仕事を決められた以上に細部まで
こだわって仕事をしてくださるので、本当に、助けられてます。
■そういう優秀な方を採用するにはどうしたらいいんでしょう?
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とにかく相手に条件を合わせ寄り添うことです。
特に、今の人材難の時代こそ、会社の都合で採用していては、いつまでたっても
人は採れないです。
それは、1日働けるフルタイムの人のほうが良い面もありますが、3-4時間という
短時間でも、圧倒的に成果を生み出すママさんたちもいる。弊社は、そんなママ
たちが活躍できるように会社の仕組み自体を変えました。
びっくりしたのは、好きな時間、好きな曜日で出社をしていいルールなのに、
弊社のサービスが季節要因などもあって、忙しい時期、暇な時期が明らかにある中、
繁忙期にあわせて、稼働も示し合わせて増減してくれていたのも感動しましたね。
女性のお客様には女性目線の対応が的確なのも助かっています。
ママにとって、やはり、一番のニーズは「子ども」です。だから、少しでもママさんたち
に喜んでもらおうと、イベントもはじめました。感謝祭やクリスマス会です。
子どものための無限ヨーヨー釣り、無限スーパーボール釣り、無限ビンゴ大会で
賞品が一人10個くらい当たるとか(笑)
そのイベントのときは、子どもの前で親を表彰もしてます。やはり、子供にご自身の
活躍っぷりを見せたいですからね。
その結果、何より嬉しかったのは、子どもたちのなかから「将来、社長になる!」
とか「レバレッジに入社したい」なんていう声が出た事ですね。これこそが、
レバレッジという会社が存在する最大の理由になりつつあります。お客様を幸せに
するために、まず、働くスタッフ、そのご家族を幸せにする。
これほど、幸せなことはないです。
■ウーマンエンパワー賛同企業の特別賞を受賞後の影響は?
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とにかく変わったのは「求人の反応」です。
賛同・掲載して特別賞を頂いて、Webサイトのとにかく1番目立つところにPRを掲載
させていただきました。(↓写真/同取り組みの旧名称は ママが働きやすい企業)
それから、ハローワークの特記事項に「ママが働きやすい企業」だということを書いて
います。この「特記事項」は絶対に書かないと埋もれます。わかりやすいPRを出すことで、
窓口の人がすごく求職者に推してくれました。多い時で1か月80本くらい電話が来て
しまい、途中で求人をクローズするくらいです。
すごくよかったのは、男性も新卒もみんな採用しやすくなったことです。
「ママが働きやすいってことは、男女ともに働きやすいってことですよね」とよく言われ
るようになりました。新卒も将来まで働き続けやすいと感じてくれているようで、たった
月3万円の掲載で月100人以上の応募があります。
■ウーマンエンパワー賛同企業へ活用方法のアドバイスは?
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マーケティング会社の立場から言わせて頂くと、
知ってもらえていないのは、ないも同じです。
多くの企業は変に慎重すぎる、奥ゆかしすぎる、という印象です。
ハローワーク1つとっても、どこも似たり寄ったりの会社ばかりで推薦してくれる
アドバイザーの目に留まりません。
弊社のようにしっかりホームページで目立つところに大きくこの賞をPRし、求人には
しっかり賛同や受賞をアピールする。魅せ方次第で求人の反応が大きく変わります。
入口には頂いた認定証を飾っていますし、会議室には頂いた賞状やトロフィーを
しっかりと飾っています。(↓写真)
■どこも採用難なのに事務局の想像を超えたうまいご活用で驚きました。
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どこの企業も求人は困っています。
1人当たりの採用単価を上げるんではなくて、お金をかけず最大限メリットを活用
させて頂いています。
ベンチャーこそ、社長次第でいくらでもかじ取りができます。私は「ウーマンエンパワー
賛同企業」賛同掲載でものすごく恩恵を受けて感謝しています。
但し、やはりただ掲載するだけではだめなので、
ぜひこういったうまい活用を目指して欲しいです。
■女性活用を模索する企業さんにメッセージをお願いします。
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昔の私がそうだったように、「女性なんて」「3時間しか働けないママなんて」
と思っている社長がいるとしたら、ぜひお伝えしたい。
苦肉の策で仕方なく外国人やシニア・ママを活用・・ではなく、
本当に優秀な人材が埋もれています。
こういう人たちを採りにいくほうが絶対によいのです。
もちろん、同じシニアやママでも色々な方がいらっしゃるのも事実。
ただ究極、量は質を凌駕する、という言葉があります。
採用戦略に置いて、良い人材に出会う確率は、採用希望者を増やして、選択
できるようにするのが、最大の戦略かと。おかげさまで、弊社はいい人材を
選べるくらいに応募が来るまでになりました。
そして、会社自体も、このような賞をいただくと、この過分すぎる賞にふさわしい、
本当に良い会社にもっとしたいと、組織そのものが変わります。弊社もそうでした。
その結果、さらに会社が良くなり、良い人材も集まり、収益性も増す。
このプラスのスパイラルが生まれるのです。
ぜひ一緒に頑張りましょう!
株式会社レバレッジ 代表取締役社長 只石昌幸氏
<プロフィール>
1975年群馬県生まれ。法政大学経営学部卒業後、株式会社キーエンス入社。
2001年キーエンス退社、無職となり「ドン底の時代」を送る。
数々の成功者との出会いをきっかけに起業を決意。自宅にて、パソコン1台、
たった1人で株式会社レバレッジを設立。
ホームページ制作事業を展開し、高いデザイン力がクライアントの好評を得る。
Webマーケティングにおける、デザインの限界を感じ、事業の主軸をWebメディア
にシフト。今は、フィットネス業界最大のメディアを3つ運営するメディア企業へ。
取材:ウーマンエンパワー賛同企業事務局 谷平
2018年6月